OAフロア 高さの基準と選び方|導入時に押さえるべきポイント

OAフロアを検討する際に、多くの担当者が最初に悩むのが「高さ」です。高さは配線容量や段差解消、安全性、さらには施工コストにまで影響する重要な要素です。本記事では「OAフロア 高さ」の基本知識から標準的な寸法と用途別の選び方、施工時の注意点まで詳しく解説します。記事を読むことで、施設に最適なOAフロアの高さを検討するための判断材料を得られるでしょう。
OAフロア 高さとは?
OAフロア(フリーアクセスフロア)の高さは、既存の床面から新たに設置するパネル床までの空間寸法を指します。この空間は、電源ケーブルやLANケーブル、電話回線、配管などを収納するために確保されます。高さの設定は40mm程度の低床から500mmを超える高床まで幅広く存在し、選定基準は施設用途や将来的な増設計画によって大きく異なります。
OAフロアは単なる「床のかさ上げ」ではなく、空間効率・安全性・柔軟性を高めるための重要な設備です。その中でも高さは、施工後の快適性と運用効率を左右する最重要ポイントといえます。
OAフロアの高さが重要な理由
配線容量の確保
高さがあるほど、床下に多くのケーブルを収納できます。OA機器の増設やネットワーク機器の拡張に対応でき、将来的なレイアウト変更も容易に出来るようになります。特に情報量が多いオフィスやデータ通信を多用する施設では、100mm以上の高さが推奨されます。
安全性と段差解消
40〜50mm程度の低床仕様は、既存床との段差を抑えやすく、転倒リスクの軽減につながります。バリアフリーへの配慮が求められる施設では、安全性確保の観点から低床仕様が選ばれることがあります。
空調・配管ルートとしての活用
150mm以上の高床を確保すると、床下に空調ダクトや配管を通すことが可能になります。これにより設備更新や修繕が容易になり、ライフサイクルコスト削減につながります。
内装設計との整合性
OAフロアの高さは、最終的に敷設する仕上げ材の厚みや既存建物の天井高とのバランスにも影響します。過剰な高さ設定は天井を圧迫し、快適性を損なう恐れがあるため、全体設計を踏まえて検討する必要があります。

標準的なOAフロアの高さ寸法と用途
低床タイプ:40mm・50mm
- 特徴:段差が小さい、短納期の施工か可能
- 用途:小規模オフィス、学校の教室、病院の事務室・待合室など
- メリット:バリアフリー性が高く、既存施設への導入が容易
中床タイプ:100mm・150mm
- 特徴:配線容量と段差解消のバランスが良い
- 用途:一般的なオフィス、コールセンターなど
- メリット:今後の増設にも対応でき、利便性が高い
高床タイプ:200mm・300mm以上
- 特徴:配線以外に空調・配管スペースも確保可能
- 用途:サーバールーム、大規模オフィスなど
- メリット:将来的な大規模更新にも柔軟に対応できる
特殊高床タイプ:500mm以上
- 特徴:大容量配線や特殊設備の配管を収納可能
- 用途:データセンター、特殊研究施設など
- メリット:大規模インフラ設備にも対応
高さ調整と施工上の工夫
レベル調整機能
支柱タイプのOAフロアは、支柱部分でミリ単位の高さ調整が可能です。既存床に傾斜や段差があっても水平を確保できるため、安定した施工品質を実現できます。
段差処理とスロープ納まり
高さ100mm以上になると、入口や廊下との接続部に段差が生じます。その際は専用スロープや框(かまち)を組み合わせて、安全性を確保します。詳しくは「OAフロアのスロープ・框の記事」をご覧ください。
表層材との組み合わせ
OAフロアの上に仕上げる仕上げ材(カーペットタイル、塩ビタイルなど)も高さに影響します。施工前に仕上げ材を確定し、トータルで高さを調整することが重要です。詳細は「OAフロア仕上げ材の記事」をご参照ください。
施設別の高さ選定ポイント
オフィス
標準的には100〜150mmが採用されます。配線収納と安全性の両立が可能で、将来的なレイアウト変更にも対応しやすいのが特徴です。
病院(事務室・待合室)
安全性やバリアフリー性を重視し、50mm程度の低床仕様が選ばれるケースが多く見られます。管理部門や設備エリアでは、配線量に応じて100mm以上を採用することもあります。
学校施設
教室や図書室では50〜100mm程度が一般的。機器室やICTルームでは配線容量を考慮し、100mm以上が適しています。
サーバールーム
大量配線と空調ルート確保のため、300mm以上の高床が必要です。メンテナンス性と耐荷重性を重視した設計が必須です。
高さ選定の失敗例と回避策
- 高さ不足による配線容量不足:初期コストを抑えるために低床を選んだ結果、増設時に配線が収まらず再施工が必要になる可能性があります。
- 高すぎる床で天井圧迫:必要以上に高さを確保したことで、天井高が不足し圧迫感を感じてしまう可能性があります。
- 段差解消の不備:スロープ設置を見落とし、利用者の事故に繋がってしまう可能性があります。
OAフロア高さを決める前に確認すべき項目
こうしたリスクを回避するために、下記のポイントを事前調査しシミュレーションで回避することを推奨します。
- 施設の用途と将来の配線需要
- ユーザーの安全性(段差解消・バリアフリー)
- 空調・配管の有無
- 内装仕上げ材との整合性
- スロープ・框の設置計画
- 天井高とのバランス
OAフロアの高さに関するよくある質問
OAフロアの高さは後から変更できますか?
施工後に高さを大幅に変えることはできません。ただし支柱タイプはミリ単位のレベル調整が可能です。将来の増設や用途変更を考慮し、導入前に十分な高さを確保することが重要です。
標準的な高さはどれくらいですか?
一般的なオフィスや学校では100mm〜150mmが標準です。配線容量と段差解消のバランスに優れ、幅広い施設で採用されています。小規模なクリニックや教室では40mm〜50mmの低床が適する場合もあります。
高さを上げるとコストはどれくらい変わりますか?
高床仕様は材料費や施工工数が増えるため、低床に比べてコストは上がります。ただし長期的な配線増設や設備更新に対応しやすいため、ライフサイクルコストを抑えられる場合もあります。
まとめ
OAフロアの高さは、配線容量・安全性・設備更新のしやすさに大きく影響します。40mmの低床から500mm以上の高床まで多彩な仕様があり、施設の用途や将来の計画に応じて選定することが成功のカギです。当社では現地調査から設計・施工まで一貫対応し、最適な高さをご提案しています。詳しくはOAフロア施工の詳細をご覧いただき、ぜひお気軽にお問い合わせください。

記事の監修者

株式会社ティーアイ代表
岩井 利紀
2018年に個人事業として創業、2020年に株式会社ティーアイを設立。
関東を中心に二重床・仕上げ床など内装床工事を手がけ、これまで数百件以上の現場を担当。
職人として培った経験を活かし、柔軟な対応力と円滑な現場調整で高品質な施工を提供している。
