業種別OAフロア要件|施設ごとに最適な仕様と選定ポイント

OAフロアはオフィスだけでなく、病院・学校・サーバールームなど多様な施設で導入が進んでいます。しかし、施設の用途や運用条件によって求められる性能や仕様は大きく異なります。本記事では「業種別OAフロア要件」として、各施設に適した高さ・耐荷重・配線方式・仕上げ材などの要件を整理し、導入時に押さえるべきポイントを解説します。施設ごとに最適なOAフロアを選ぶための判断材料を得られるでしょう。
業種別OAフロア要件とは?
OAフロアは、床下にケーブルや配管を収納し、配線整理やレイアウト自由度を高める設備です。
求められる高さ・耐荷重・仕上げ材・施工方式は業種によって異なります。
| 施設種別 | 主な要件 | 推奨仕様 |
|---|---|---|
| オフィス | 配線容量・拡張性・快適性 | 支柱タイプ+置敷タイプ/高さ50〜150mm/カーペットタイル |
| 病院(事務室・待合室) | 衛生性・安全性・メンテナンス性 | 支柱タイプ/高さ50〜100mm/塩ビ系仕上げ材 |
| 学校施設 | 耐久性・静音性・ICT対応 | 支柱タイプ/高さ100mm前後/塩ビ系・カーペット系 |
| サーバールーム | 耐荷重・空調対応・メンテ性 | 支柱タイプ/高さ300mm以上/導電性仕上げ材 |

オフィスにおけるOAフロア要件
配線容量と柔軟性の両立
オフィスでは、執務エリア・会議室・通路・受付など、エリアごとに求められる要件が異なります。そのため、支柱タイプと置敷タイプを用途別に使い分ける設計が有効です。
執務エリアや情報機器の多いゾーンでは、電源・LAN配線量が多く、将来的な増設やレイアウト変更も想定されるため、高さ100〜150mm程度を確保できる支柱タイプが適しています。一方で、受付・通路・小規模会議室などでは、段差を抑えつつ施工性を高められる置敷タイプを採用するケースもあります。
このようにエリア特性に応じて方式を組み合わせることで、機能性・コスト・安全性のバランスを最適化できます。
快適性とデザイン性
OAフロア上の仕上げ材は、オフィス全体の快適性や印象を左右する重要な要素です。
執務エリアでは、防音性と歩行感に優れたカーペットタイルが主流で、集中しやすい環境づくりに寄与します。
一方、受付や共用部では、意匠性や清掃性を考慮し、塩ビ系仕上げ材を組み合わせるケースもあります。
支柱タイプ・置敷タイプのどちらを採用する場合でも、仕上げ材との相性や段差処理を考慮した設計が重要です。→ 詳細は「OAフロア仕上げ材の記事」を参照ください。
推奨仕様例
- 構造
- 執務エリア:支柱タイプ(高さ100〜150mm)
- 受付・通路・小規模区画:置敷タイプ
- 仕上げ材
- 執務エリア:カーペットタイル
- 共用部:カーペットタイルまたは塩ビ系仕上げ材
- 耐荷重:3,000〜5,000N
- 特徴:将来の配線増設・レイアウト変更に柔軟対応
病院(事務室・待合室)におけるOAフロア要件
安全性と衛生面の確保
病院では患者・職員の動線が多く、段差を抑えつつも配線容量を確保できる支柱タイプが適しています。事務室や待合室では50〜100mm程度の高さを確保することで、配線整理と安全性を両立できます。
衛生・メンテナンス性
OAフロア上の仕上げ材は、清掃性と耐薬品性に優れる塩ビ系仕上げ材が適しています。アルコール清拭や日常清掃に対応でき、防滑仕様を選定することで転倒リスクも低減できます。
推奨仕様例
- 構造:支柱タイプ(高さ50〜100mm)
- 仕上げ材:塩ビ系仕上げ材
- 耐荷重:5,000N前後
- 特徴:防塵・防滑仕上げ、清掃性重視
学校・教育施設におけるOAフロア要件
耐久性と静音性
教室・職員室・ICT教室では、長期間の使用に耐える構造が求められます。近年はICT機器の増加により、支柱タイプOAフロアを採用し、床下配線を計画的に管理するケースが増えています。
→ 施工構造については「OAフロア施工の記事」を参照ください。
ICT教育対応の配線容量
ICT機器や電子黒板、プロジェクターの増加に伴い、100mm程度の高さを確保し、LAN・電源配線を分離することが推奨されます。
→ 配線計画は「OAフロア配線の記事」を参照ください。
推奨仕様例
- 構造:樹脂パネル置敷型(高さ50〜100mm)
- 仕上げ材:塩ビ系仕上げ材、またはカーペットタイル
- 耐荷重:5,000N前後
- 特徴:防音・安全性重視
サーバールームにおけるOAフロア要件
高耐荷重・空調対応
サーバーラックやUPS装置など重量物が多いため、支柱タイプで300mm以上の高床構造が必須です。
配線だけでなく、床下を空調ダクト経路として利用するケースもあります。
→ 耐荷重の基準は「OAフロア耐荷重の記事」を参照ください。
静電気対策とメンテナンス性
導電性塩ビタイルや導電カーペットを採用し、静電気による機器障害を防止します。床下点検のためのパネル開閉も容易な設計が理想です。
推奨仕様例
- 構造:支柱タイプ(高さ300〜500mm)
- 仕上げ材:導電性塩ビタイル
- 耐荷重:5,000N以上
- 特徴:高床・高耐荷重・空調ルート確保
業種別OAフロア要件に関するよくある質問
施設内で複数の仕様を組み合わせることはできますか?
可能です。たとえばオフィス内では執務エリアに支柱タイプ、受付や通路部には低床置敷タイプを組み合わせるケースもあります。
業種ごとに法令基準は異なりますか?
基本的には建築基準法・消防法・バリアフリー法など共通ですが、医療・公共施設では防火認定材(国交省告示第1360号)やホルムアルデヒド放散等級(F☆☆☆☆)が求められます。
まとめ
OAフロアは業種・施設の特性に応じた設計が不可欠です。
オフィスでは配線拡張性、病院では衛生性と安全性、学校では耐久性とICT対応、サーバールームでは耐荷重と空調対応が重視されます。
当社では施設用途・運用計画・安全基準を総合的に考慮し、最適なOAフロア仕様をご提案しています。詳しくはOAフロア施工の詳細をご覧ください。お気軽にお問い合わせください。

記事の監修者

株式会社ティーアイ代表
岩井 利紀
2018年に個人事業として創業、2020年に株式会社ティーアイを設立。
関東を中心に二重床・仕上げ床など内装床工事を手がけ、これまで数百件以上の現場を担当。
職人として培った経験を活かし、柔軟な対応力と円滑な現場調整で高品質な施工を提供している。
