OAフロアのスロープ・框の基本と設計ポイント

OAフロアを設置する際、床の段差を安全に解消するために重要となるのがスロープおよび框(かまち)です。これらは利用者の安全確保だけでなく、仕上がりの品質や施設全体の印象にも大きく影響します。特に高さ100mmを超えるOAフロアでは、適切なスロープや框の選定が不可欠です。本記事では「OAフロア スロープ・框」の基本構造、種類ごとの特徴、設計時に押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。

目次

OAフロアのスロープ・框とは?

OAフロア(フリーアクセスフロア)のスロープ・框とは、既存床との段差を安全かつ美しくつなぐための仕上げ構造を指します。
OAフロアは配線や設備を床下に収納するために40〜500mmほど床面を上げて設置しますが、その高さ差を放置すると転倒やつまずき事故の原因になります。
そのため、出入口や通路には「スロープ」または「框」を組み合わせ、安全性・バリアフリー性・デザイン性を確保します。

スクロールできます
要素主な目的設置箇所例
スロープ段差を緩やかに接続し、車椅子や台車の通行を可能にする出入口、通路、受付前
框(かまち)OAフロアの端部を保護し、見切りを美しく仕上げる壁際、仕上げ材の切り替え部、段差境界

OAフロアにスロープ・框が必要な理由

段差によるつまずき防止

OAフロアの高さが40mmを超えると、わずかな段差でも事故につながる恐れがあります。特に病院や学校など人の往来が多い施設では、スロープによる段差解消が必須です。

車椅子・台車の通行を確保

バリアフリー法(建築物移動等円滑化促進法)では、勾配1/12〜1/15程度の緩やかなスロープが推奨されています。
台車や機材の搬出入が多いオフィス・倉庫・研究施設では、段差ゼロ化の設計が安全面でも有効です。

フロア端部の保護と意匠性

框はOAフロアパネルの端部を覆い、欠けや浮きを防止します。見切り材としての役割もあり、内装全体の印象を左右します。アルミ框や樹脂框など、用途に応じた素材を選定します。

スロープの種類と特徴

スクロールできます
種類特徴主な用途
アルミスロープ軽量で耐久性が高く、意匠性にも優れる。工場成形品が多く安定性が高い出入口、共用部
樹脂スロープ軽量で施工しやすく、コストを抑えやすい教室、小規模施設
鋼製スロープ金属製で耐摩耗性・耐荷重性に優れる台車通行部、重量動線
木スロープ現場加工が可能で、勾配・寸法調整に柔軟医療・教育施設など

勾配角度は高さ÷12〜15を目安に設定します(例:高さ100mm → 長さ1,200〜1,500mmのスロープ)。
必要以上に急なスロープは安全性を損なうため、設計段階で周囲動線を考慮することが重要です。

框の種類と特徴

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種類特徴主な用途
アルミ框耐久性・意匠性に優れ、清掃が容易出入口・共用部
ステンレス框(SUS框)高耐久・耐食性に優れ、重量物にも対応サーバールーム、医療施設
木製框デザイン重視の空間で採用受付・商談室など

框はOAフロアと床仕上げ材(例:カーペット・塩ビタイル)の間をきれいに納める役割もあります。
素材を誤ると浮きや破損につながるため、利用環境(人の通行頻度・重量機器有無)に合わせて選定します。

OAフロアのスロープ・框に関するよくある質問

OAフロアにスロープは必ず必要ですか?

高さ40mm以下の低床タイプでは不要な場合もありますが、100mm以上では段差解消のために設置が推奨されます。バリアフリー法に基づき、通行者の安全性を確保する目的で導入されます。

スロープの勾配はどのくらいが適切ですか?

一般的には高さの12〜15倍の長さを確保します(例:高さ100mm → 長さ1,200〜1,500mm)。施設の用途や動線により調整します。

既存のOAフロアに後付けでスロープを設置できますか?

可能です。段差が生じたエリアやレイアウト変更後の通路部に、現場調整で後付けスロープを施工できます。

まとめ

OAフロアのスロープ・框は、安全性・機能性・意匠性を兼ね備えた施工に欠かせない要素です。高さ・勾配・素材・周辺構造を総合的に設計することで、長期的に安心して利用できる環境を実現できます。当社では現地調査から設計・施工まで一貫対応し、最適なスロープ・框をご提案しています。
詳しくはOAフロア施工の詳細をご覧ください。

記事の監修者

株式会社ティーアイ代表

岩井 利紀

2018年に個人事業として創業、2020年に株式会社ティーアイを設立。
関東を中心に二重床・仕上げ床など内装床工事を手がけ、これまで数百件以上の現場を担当。
職人として培った経験を活かし、柔軟な対応力と円滑な現場調整で高品質な施工を提供している。

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