OAフロア配線の基本と計画方法|安全で効率的なオフィス環境を実現するポイント

OAフロアを導入する目的のひとつが、煩雑になりがちなコンセントや配線を美しく安全に収めることです。適切な配線計画を立てることで、見た目だけでなくメンテナンス性や安全性も大きく向上します。本記事では「OAフロア コンセント・配線」の基本構造から、配線計画時の注意点、施工時のポイントまでをわかりやすく解説します。記事を読むことで、配線トラブルを防ぎ、長期的に快適な環境を維持するための実践的知識を得られるでしょう。

目次

OAフロアでの配線とは?

OAフロア(フリーアクセスフロア)配線とは、床下空間に電源ケーブル・通信ケーブル・電話線などを収納し、床面のコンセントボックスなどから安全に取り出す仕組みを指します。
配線を床下に通すことで、机まわりのコードがすっきりし、レイアウト変更や機器の追加にも柔軟に対応できます。
一般的なOAフロアでは、以下のような構成要素で配線が行われます。

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構成要素役割
電源ケーブルコンセントへ電力を供給
LANケーブルネットワーク通信を確保
電話線・映像線OA機器・会議設備などへ接続
コンセントボックス床面から電源を取り出す開口部
ハーネス配線工場で一括成形された配線ユニットで、施工を効率化

OAフロア配線は、単なる“隠す”ための仕組みではなく、安全性・保守性・拡張性を両立する重要な設備要素です。

OAフロアにおける配線方式の種類

OAフロアの配線方式は、主に以下の3種類に分類されます。

溝配線方式

溝配線方式は、OAフロアパネルの裏面に溝を形成し、そのスペースにLANや電源ケーブルを通す方式です。床下の高さをあまり確保できない環境でも配線がしやすく、比較的低コストで導入できます。教室や小規模オフィス、クリニックなど、必要最低限の配線量でレイアウト変更も多くない空間に適しています。

ハーネス配線方式

ハーネス配線方式は、工場であらかじめ成形された配線ユニット(ハーネス)を組み合わせて施工する方法です。現場での結線作業が大幅に減るため、施工時間を短縮でき、誤配線のリスクも少なく安心です。一般オフィスや病院の事務室・待合室など、安全性と工期の短縮が求められる現場で多く採用されます。
※ハーネス方式は、あらかじめコンセント位置を設計段階で確定する必要があります。

フル配線(全面配線)方式

フル配線方式は、床下の広範囲にケーブルラックを敷設し、自由度の高い配線計画を実現できる施工方法です。配線容量が大きく、増設やレイアウト変更にも柔軟に対応できるのが特徴です。サーバールームや研究施設など、専門機器が多く高い配線自由度が求められる環境で選ばれます。

コンセント位置と配線ルートの設計ポイント

OAフロアにおける配線計画の良し悪しは、業務効率と安全性に直結します。
以下の3つの視点で計画を立てることが重要です。

利用動線を考慮したコンセント位置の配置

机や会議テーブルの配置を基準に、必要な電源数を算出します。過不足があると延長コード使用が増え、転倒リスクや火災の原因となります。

メンテナンス性を高める配線ルート

LANや電源の経路を分けて通す「電気・通信分離配線」が基本です。特にノイズ干渉を避けるため、通信ケーブルは電源線と一定距離を保つよう設計します。

将来的な増設を見据えた余裕設計

配線本数は通常の1.2〜1.5倍を見込んでおくと安心です。OA機器の増設やネットワーク機器更新にも柔軟に対応できます。

コンセントボックスの種類と特徴

OAフロア用コンセントボックスには複数のタイプがあり、利用シーンに応じて選定します。

フロアコンセント

フロアコンセントは床面とフラットに仕上がるため、空間の美観を損なわないのが大きなメリットです。オフィスや会議室など、人の動線が多い場所でもつまずき事故のリスクを抑えられ、安全性にも優れます。デスク周りの配線をスッキリまとめたい場合や、レイアウト性とデザインを両立したい空間に適しています。

ポップアップ型

ポップアップ型コンセントは、使用時のみ天板からコンセント部分が立ち上がる仕様で、未使用時はフラットで見た目もスッキリと保てます。会議室やプレゼンルームなど、必要な時だけコンセントを使いたいシーンに向いており、限られたスペースでも邪魔になりません。美観・利便性・安全性のバランスが取れたタイプです。

モジュールボックス

モジュールボックスは、LAN・電源など複数の配線を一体化して収容できるタイプで、情報配線が多い環境で力を発揮します。サーバールームや情報機器室など、安定したネットワーク環境が求められる空間に適しており、メンテナンス性にも優れています。機器ごとの配線整理がしやすく、将来的な増設にも柔軟に対応できます。

OAフロア配線の施工時に注意すべきポイント

配線量に対して十分な床下高さを確保する

配線量が多い場合は、100mm以上の中床~高床仕様が望ましいです。詳細は「OAフロア高さの記事」をご覧ください。

ケーブルの固定と識別

結束バンドやマーカーを用いて整理し、ケーブルの種類を明示することでトラブル時の復旧が容易になります。

耐荷重と安全基準を遵守

重量機器を設置する場合は、配線経路上の耐荷重を確認しましょう。基準は「OAフロア耐荷重の記事」に詳しく解説しています。

防火・防災性能の確保

建築基準法・消防法に基づき、不燃材料や難燃ケーブルの使用が求められます。特に病院・公共施設では必須項目です。

業種別に見るOAフロア配線計画のポイント

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施設種別主な留意点推奨仕様
オフィスフリーアドレスや会議機器対応ハーネス配線+フロアコンセント
病院(事務室・待合室)清掃・衛生性、バリアフリー低床+防水型ボックス
学校・教育施設ICT機器の多様化、耐久性樹脂パネル+モジュール配線
サーバールーム電源負荷・熱対策支柱型高床+独立電源ルート

OAフロアの配線に関するよくある質問

OAフロアの配線は自社で増設できますか?

小規模なケーブル交換は可能ですが、電源系統を変更する場合は電気工事士の資格が必要です。

コンセントボックスの位置は後から変更できますか?

置敷タイプではある程度の位置変更が可能ですが、支柱タイプは固定構造のため制約があります。将来のレイアウト変更を考慮して余裕を持った配置を推奨します。

病院や学校でもOAフロア配線は導入できますか?

衛生面・安全面に配慮した仕様(低床+防塵パネル)を選べば、病院・教育施設にも導入は可能です。

まとめ

OAフロアのコンセント・配線は、安全性・拡張性・デザイン性を兼ね備えた快適な業務環境の基盤です。配線方式やコンセント配置を計画的に設計することで、将来の機器増設にも柔軟に対応できます。当社では現地調査から配線設計・施工まで一貫対応しています。
詳しくはOAフロア施工の詳細をご覧いただき、ぜひお気軽にお問い合わせください。

記事の監修者

株式会社ティーアイ代表

岩井 利紀

2018年に個人事業として創業、2020年に株式会社ティーアイを設立。
関東を中心に二重床・仕上げ床など内装床工事を手がけ、これまで数百件以上の現場を担当。
職人として培った経験を活かし、柔軟な対応力と円滑な現場調整で高品質な施工を提供している。

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